高**ん
胸に一撃をくらいました。
リーアム・ニーソンが好きで、ジョー・カーナハンも好きな監督なので内容を良く知らずに観ました。一言で言うと大当たりの映画でした。大作映画ではなく、観客を楽しませる為だけのアクションスリラー映画でもなく、支払った料金への対価だけを求める映画でもありませんでした。筋書きは文章にすると、凡庸なものです。しかしこれは映画によって心を揺さぶられる事が有るという事を改めて覚えさせてくれる作品です。私自身の人生の歩み方に教えを受けた部分もあります。普通はたかが映画かも知れませんが、こういう事もあるのが映画なのでしょう。そのような映画にたびたび出合う事はできませんが、今回はそういう作品でした。エンドクレジットの後の場面では映画であるのに思わず祈りを捧げずには居れませんでした。また、この映画がお好きな人には「セラフィム・フォールズ」も是非ご覧になる事をお勧め致します。
ま**る
リーアムvs狼
元CIA、記憶喪失、特攻野郎を近年演じてアクション俳優に目覚めたリーアム兄貴はハンターを演じ次の敵は極寒と狼です。アクションは意外に少なめというか寸止め。しかしアクションが少ないと感じさせないくらい極寒でのサバイバルはよくできています。物凄い寒そうです。こんな映画は八甲田山以来。少しマンガチックなシーンはありますが極寒サバイバル映画ってのは今まであまり無く面白いです。特典も未公開シーンとメイキング、インタビューがあります。残念ながら撮影されながら演出でカットされたラストは収録されてませんでした。
K**I
雪とオオカミとオッサンと
劇場で観たときは真夏日だったのですが、それでも身震いするぐらいの雪景色でした。女っ気ゼロ!極限状況でオッサン方が死に物狂いで生き抜こうと努力するシーンが目に焼き付きます。主人公の父親が残した格言が素晴らしすぎます・・・あの言葉があったからこそ、最後まであらがう意思を得られたんですね。スタッフロールが流れても最後まで観ましょう。観ないとかなり感想が異なるはずです。個人的には2012年公開作品の中でも隠れた名作だと思います。ただパッケージデザインは海外版の方が格好いいような・・・あとなぜこれだけ国内版がこれだけ発売が遅れたのかが気になります。
(**)
ネタバレ読んでから
ネタバレレビュー読んでから買ったので後悔してません。
普**人
自然の恐ろしさが映像を通じて体験できる良作だった。
江頭2:50のDVDの「江頭2:50のピーピーピーするぞ8、逆修正バージョンお台場狂和国」の特典の「エイガ一刀両断」の得点表で高得点だったので購入した。「エイガ一刀両断」の採点に外れがないことを、改めて実感できた素晴らしい作品だった。本当に極寒の地でロケを行ったことが特典のメーキングで分かるが、人間は自然には勝てない、自然の恐ろしさが映像を通じて体験できる良作だった。
耶**曹
娯楽作品ではない…覚悟が必要…
最近セガール化が進むニーソン先生だが、この作品は96やフライトゲームとは趣が大きく異なります。ニーソン演じる役は、決して無敵の強さを持つわけではなく、むしろ自然の脅威に対しほとんど無力で、一方的に打ちのめされています。少し自然に詳しいだけの、無力な男でしかありません。制作側が意図した事とはいえ、常勝無敗のスーパーヒーローなる者は一人も出てきません。平凡で無力な男が数人いるだけです。まるで邦画「八甲田山」状態の主人公たちに、狼の襲撃が加わるような展開。無論、迫りくる脅威に精一杯抗ってはいます。しかし、自然の強さは、それこそセガールとは比べ物にならないほど絶望的に強い。困難の中、わずかな希望が見えたかと思えば、さらに大きな困難が押し寄せる。抗っても、抗っても…あまりに厳しい現実に押しつぶされる。この映画には、勧善懲悪なんてものは存在しません。悪だの善だのは人間社会だけでのみ通じる価値観に過ぎない。自然の力は、人間の感傷なんか無視して、無慈悲、無差別に襲いかかる。死んでいく登場人物一人一人が、それなりに重い人生を歩んできたのに…報われる事もなく、救いもなく死んでいく。なんとも、厳しい映画です。他の二ーアム作品のような爽快さはありません。少し腹を据えて観ないと、全否定の感想しか持てないかもしれません。家族みんなで楽しむ映画ではなく、彼女と二人で観る映画でも無く、男が一人で観るのがふさわしい映画と言えるでしょう。人生に救いなんかない、絶望的な結末しか予測できない事ばかり、それでも生きなければならない。そんな主人公の最後の戦いを観て下さい。エンドロールの後まで…
N**N
ただのサバイバルではない「サバイバル映画」
ジョー・カーナハン監督の作品の中で最も、好きといえる作品です。カーナハン監督はインディーズで発表した「ブラッド・ガッツ」はサンダンス映画祭で上映されたのち、それがトム・クルーズ(後に決別)に認められ製作された「ナーク」は本人曰く「敬愛する黒澤明の「羅生門」から着想を得た」というほど重厚なサスペンスでインディペンデント・スピリット賞にノミネートを果たしその後はリドリー&トニー・スコット傘下で「スモーキン・エース」や「特攻野郎Aチーム」など意欲的かつ大胆なアクション大作を発表しハリウッドでも知名度を着々と上げつつあります。 そんな監督が雪原地帯を舞台にしたサバイバル映画であるこの「ザ・グレイ」は作風的にも「ナーク」のようなヒューマンドラマ的な要素を重ね持っており間違いなく詩的で余計な感傷などを全てをこそげ取った最高のサバイバル&ヒューマンドラマです。どうも現地や他のレビュアーの方が「動物愛護」の見地からこの作品をネガティブに解釈する向きがありますが監督も言ってるとおりこれは単純な「オオカミ映画」ではありません。 というよりそんな感想を抱くのは全くな見当違いだと言わざるを得ません、作品の本質を完全に誤解なさっています。私自身オオカミが絶滅してしまえばいいなど決して思いませんが(むしろ狼は好きです)、得てして自然の世界は雄大な面と人間には到底理解できない野生という名の混沌を併せ持っております。 その自然の根本的な本質を、ありのままの野生が持つ脅威を無視するような言動をなさる方々には逆に自分勝手としか言うほかありません(もはやシーシェパード並みの妄信的で非生産的な愛護精神です)。動物と人間には決して越えられない一線があるのにそれを理解できない方々は、はっきり言って見る資格はありません。何よりこの作品で最も重要なのは極限状態に置かれた人間の心理状態にスポットが当てられていて、それぞれの境遇や個性から今の現状にどう向き合い決断するかが最も重要な見所なのです。 特にリーアム・ニーソン演じる主人公の目を通してみる生存者たちのドラマ、危機と絶望に面して神の不在を訴える台詞「神よお前の力を見せてみろ、後じゃなくて今だ,そしたら死ぬまであんたを信じてやるっ!!」や主人公の過去が徐々に明らかになりラストで死闘に臨みながら亡き父の詩を暗唱する「最高の敵に打ち勝つ事が出来るのなら、その日に死んでも悔いはない」がこの映画で最も見るものの心を揺さぶる劇的な名シーンです。 名優リーアム・ニーソンが極寒の地でみせる監督曰く「それまで送ってきた人生や経験、失ってきたもの、悲劇などが集約された目」がどアップになる瞬間の感慨の深さは尋常じゃありえません(まさに狼のそれです)。究極の状況でおかれた人間の苦悩、喪失感、そして全てを飲み込んで下す男の決断に胸を打たれるのは必至(あとクレジットが終わるまで見てください!、一番重要です)、ぜひお勧めします。
風**雪
よくぞ今これを作れたものだと感心せずにはいられない
本作はシチュエーション映画であり、映画に何か理由を求める方は見てはいけません。その中身ですが 遭難した男たちが狼に襲われ倒れていく だけです。かの「300」も 300人が100万人に蹴散らされる で説明が完了する話でしたがこちらはまるで琥珀かなにかのような、非常に渋い味わいの古き良き秀作映画です。それにしても内容とは別に感心するのは、この派手・理屈・内容を要求しあとに批判しか出さないのが消費者の一般的な態度になりつつある現代に、これほど圧倒的に地味な、70年代にはもう絶滅していたかもしれない「ただの動物に襲われる人間たちの抵抗と逃亡」という内容の映画を作るスタッフと金を出す心意気のあるの人がいたという事実です。この血脈は絶えて欲しくない。
Trustpilot
4 days ago
2 weeks ago